肌寒くなると思い出す光景。
ある幼き日の日曜。
母に頼まれ近所のパン屋さんまでパンを買いに行った。
当時、お釣りをお駄賃として貰える事が多く、姉とおhanaでルンルンでパン屋へ走ったものだ。
頼まれていた食パンを一斤買ったあとは、その足でいつもの駄菓子屋に。
おhanaは100点満点というピザ味のスナック菓子を買った。
(※その昔売っていた、うまい棒のようなスティック状のお菓子。10円で2本入っている、という、食い意地の張ったお子には大人気だったシロモノ)
早朝の公園の遊具で一通り遊んで、駄菓子を食べて帰るいつものコースをやるつもりだった…
そう、そのつもりだった…
姉と並んでブランコゆ~らゆら。
おhana、お楽しみの100点満点の封を開ける。
するとどこからかハンパない殺気を感じた。
はるか向こうから野犬がこちら目掛けて走ってくる。。
ばうばうばうーーー
「や、殺られる…」
ぎゃnjキャgyahzヴnnグわーーNOーーー!!
姉がすかさずブランコから飛び降り、「おhana!こっちだよ!」と
すべり台の方に逃げ、それを必死に追うおhana。
迫り来る野犬。
がるるるうるるううがうがーーー
おhanaの手には100点満点。
滑り台の階段を8段目くらいまで登ったところで、おhanaの右手に握り締められていた100点満点が、
ピザ味の100点満点が、一口も食べていない100点満点が、野犬に奪い去られ、その場で瞬殺されたのです。
あああああ、100点満点。。。。
野犬は小腹が満たされたのか、気付いたら姿を消していた。
なんて、なんて悲しく切ないお話。
いまでも、肌寒い休日の朝には思い出す。
先日の休日にも、思い出したよ100点満点の朝のことを。
いや、実際には0点な朝の思い出だけどさ。
あの日の野犬の顔を思い浮かべながら向かったのは
サンダーゲート!!!
でも英語では「KAMINARI MON GATE」って書いてあんのね。
外人観光客ばかりの仲見世を通り、浅草寺までテクテク。
もう、わっかりやすいおのぼりさんをしてみたよ。
あの日のように野犬はいないはず。
大人になったおhanaの横に姉はいないけど、頼もしく愉快な友人が2人いたし。
(あ、姉はこの世にいない風に聞こえますがバリバリ元気ですよ?)
もう休日は切なくないよ。
スカイツリーを間近でみたのも実は初めて!
一瞬、
視線を感じる!!
とビクッとしたけど、なんてことはない。
パンダちゃんだった(笑)
以前、この100点満点事件の話を歌舞伎町の☆さんに話したら、
「その100点満点、離せば良かったじゃないですか」
などと、あっさり言われたのですが、100点満点の美味さを知らぬからそんなことが言えるのだ、と軽く根にもつと同時に
100点満点が全国的な駄菓子でなかったことに驚きをかくせないおhanaなのです…