ある場面から。

僕は意地悪な神様に一度だけ祈った
どうか今夜、あの人が寒い思いをしていませんように

『ふがいない僕は空を見た』


…のセリフのひとつです。

文字だけ、ぽっかり白で抜かれた真っ黒な背景に言葉のみのシーンの場面。

原作は窪美澄さんの小説です。

わたしは読んでいないので、このセリフが窪美澄さんの原作の方でも

書かれているのかというのは知りませんが、

いっぱいココロが打ち付けられるセリフを

あっさり生活臭を纏わせながら言ってしまう登場人物たちが印象的な映画です。


R18+、所謂18禁という

大人になってからじゃないと観れないよ!っていう本作ですが

普通に邦画コーナーの陳列棚に置いてあったので

多分、カーテンをくぐらなくても観たい方は観れると思います。


というか、なぜこういうものを18禁表記にするのだ

…という軽い不満も感じる私ですが(笑)、

前半パートは永山絢斗くんと田畑智子さん(解釈的には永山くんパート、田畑さんパートのところが過激だったのでしょうか)がメインのこのお話だからでしょうか?んんー…


永山くんは“I´mFLASH!”からの“ふがない”、そして次観たときは“藁の盾”という

時系列順だったので“ふがいない”の印象がちょっと弱くて…学生役だったからかな…?

(この前後の作品が私的にツボ過ぎてって意味です笑)

と、前置きは、おーいといて~

そうです、窪さんファンになったのはホントここ最近の私。

2013年版ST放映時に、

ジョーカーという関ジャニ∞の亮ちゃんが鑑識役で出演してたドラマに

窪ちゃんが出ていたことを覚えていて(これがまた可愛かったから覚えてたんです笑)


『精神鑑定に回された後に無罪放免になった青年役の子やんwなんでもう社会人???

未成年じゃなかったんかこの子ぇw…もう30歳位の役なん???えぇどういうことよw』

っていうギャップと、この作品の大ファンだということもあり…ごにょごにょ

そのあとからちょくちょく追い出しまして今に至るわけです(今じゃ立派な窪ヲタと言い張れます)

QPあたりから『三池さんの所の色っぽい子』という認識はあったものの、

ずっと脇役だったので同一人物という概念がなかったんですね(笑)←恐らくドラマヲタならこの気持ちわかるはずw

でもあれですね、脇役という名のモブ(言い方w)の時の方が、

色々な雑念がないので、役の印象の方が強くて後々思い出すと

思いが強かったりします、不思議なことに←


…という感じの背景がありつつ、観ていた時の当時の初々しい気持ちと感想が詰まった

思い出のセリフが、このブログの冒頭の書きだしの一文なのです。

このセリフは“ふがいない”で当時、最優秀新人賞と最優秀助演男優賞を獲った窪さんが演じる、

福田良太

が、『言ったセリフ』ではなく、『思い願った言葉』なんです。

実際にはこの言葉はセリフとして“窪さん”が言ったものではなく、

“福田”のそれまでの経緯があっての無言のワンカットとして出てくるシーンなんです。

(観ればカッコの部分の意味わかると思います^^それくらい惹き込まれます)


“ふがいない”の福田パートがとてもとても好きで

DVDを何度見返したか…orz

冬の薄暗い早朝。自転車で走る新聞配達がどれだけ寒かったのだろうか。

親友の変化にもあまり興味がない、けれど一応反応は返す。

だって本当は心があるから、興味が本当にないわけじゃない。

ただそれに興味を示すフリをするだけで精一杯の現実が、

彼自体にずっと降りかかり続けているのです。

自分では選べない選択。周りの全てが彼にとって別世界の話なわけで。

その輪の中から抜け出せない現実が福田や、

団地の周囲には広がっていて、どうしようもなく乾いているんです。

福田やここに出てくる団地の子達は、人に手を差し伸べられると決まって、

『同情心はやめてくれ、』という顔をするのですが、

施しという言葉は彼らのギリギリのプライドだったんです。

人としてのラインってやつでしょうか。


…でもここで福田はもうひとつのバイト先の先輩の行動に

とっても嬉しそうな顔をするんです(ココイチの名シーンだと思ってますこのシーンが好きだから買ったといっても過言ではないです…)


と、ここで同じ団地の同級生のあくつという女子に指摘されるのですね。


『あんた、お父さんが来るっていう度に嬉しそうな顔してたよね。一度も来たことないけど』


この言葉の意味が、後に出てくるシーン

『居留守を使った母への、ドア越しの問い』に繋がって、

そして、自分が行った行為がきっかけとなって

ひきこもっている卓巳への言葉になって…

決して幸せな結末ではないです。

ただ、どこまでも憂鬱か?と言われれば、そうではないです。

ただただどこまでも、『生が追いかけてくる』というプレッシャーは

ここに出てくる登場人物たちを少しだけ前進させてくれる“予感”を残して幕引きされます。

(…と思いたいです。。)


福田パートは

印象に残るシーンが多いです。

どこか共感できるんですね。私も真冬に新聞配達してたってのもあるのですが(笑)


あくつと無邪気に卓巳とあんずの写真を撒き散らす場面は、

普通だったら嫌悪感を感じる描写ですが、

この二人がとても綺麗なんです。

…と自分なりに真面目に書きましたが

半分ネタバレじゃねぇか!とキレられそうな記事ですね(笑)

普段めっちゃ気を付けてそこらへんボヤかしてるのですが…w

あ、締めくくるのであれば一言!


この時の窪さん(まだ窪ちゃんって言っても許されそうな面影が…笑)の

スパイキーショートと萌マフラーは殺傷レベル高いので

女子の皆様方、覚悟してくださいね^^

ラスコプ亮太役で注目されてる窪さん、

私は個人的に、20代の俳優さんの中で

哀愁と泥臭さの演技をさせたら

この人の右に出られる人はいないんじゃ…と思っているので

コメディモードの窪さんを見る度、微笑ましくもあり~の

昔の手持ちのBOXを見返すのです^^


(甘いもの食べたらしょっぱいの食べたい原理ですw)

2016年後半は暫く大好きなものにどっぷり浸かれる予感で

年越し、怖くなさげです(笑)

では。

送信元★急に寒くなって鼻とほっぺが赤いななえです。