こんにちは、秋田城介です。
本日は辰巳柳太郎の命日です。
辰巳柳太郎
兵庫県赤穂郡坂越村生まれ。少年時代に養子に出されるも、養家を１３件も
転々としながら大阪市立甲種商業学校を中退し、１９２６年に旅回りの一座に
入り長野で初舞台を経験します。半年後、小林一三主宰、坪内士行文芸部長の
「宝塚国民座」に入団、東伍作の名で舞台に立ちます。
その後、新国劇の澤田正二郎の魅力に引かれ１９２７年、道頓堀の浪花座で公演中の
澤田を楽屋に訪ね弟子入りを直談判し新国劇への入団を許されます。新国劇での初舞台では
『国定忠治』の駕篭かき役を演じます。その後、芸名を「辰巳柳太郎」と改めます。芸名は師匠の
澤田が辰年、柳太郎が巳年生まれだったことに由来します。しばらく端役が続きましたが１９２９年、
澤田が急死すると俵藤丈夫文芸部長によって島田とともに澤田の後継者に大抜擢されます。
抜擢の理由は沈着冷静な島田と明るく奔放な柳太郎を合わせると澤田の芸風に似たものが出来るだろうという考えからでありました。
その後『大菩薩峠』の机龍之介や『宮本武蔵』の武蔵、『無法松の一生』の富島松五郎、
『王将』の坂田三吉などの主人公を豪放磊落に演じきり島田と共に二本柱として新国劇を支えます。
戦後になると映画界に進出し１９４９年に『どぶろくの辰』で初出演、以降は映画でも
島田とたびたび共演したのをはじめ１９５４年には日活の映画製作再開に伴い劇団ぐるみで
同社と契約、映画界においても「辰巳・島田ブーム」を巻き起こします。しかし大衆演劇の衰退と
共に新国劇の観客数は減少、１９８７年、７０周年記念公演終了後、新国劇は解散することになります。
解散の２年後、１９８９年に死去。弟子に大友柳太朗、緒形拳らがいます。
写真は「タンポポ」時の大友柳太朗。