★新撰組のうんちく

新撰組とは？

幕末の京都において、反幕府勢力や過激派浪士等を取り締まるため結成された警察組織。

幕府は治安が悪化した京都に「京都守護職」という治安維持組織を1862年に新設し、

その代表に会津藩主の松平容保を選び、その配下に旗本や御家人を中心に組織されたのが

「京都見廻組」。浪士（非武士階級含む）を中心に組織されたのが壬生浪士組（後の新撰組）で、

あくまでも会津藩預かりという立場だったが、1864年の池田屋事件と禁門の変で頭角を現し、

24人から始まった新撰組は200人を超える武装集団になったが、この頃から内部抗争が悪化し、

重要な隊員の粛清等が横行した。

最末期は旧幕府軍に従事し戊辰戦争に参加し、敗戦で隊員はバラバラになったが、

一部の隊員は会津戦争・函館戦争にも参加した。

☆主な隊士

◆局長　芹沢鴨（せりざわかも）

水戸藩の浪士で、元天狗党。

新選組の中では出自が割合はっきりしている人物。

新選組内の覇権争いに敗れ、後に暗殺される（諸説有り）

剣術の流派：神道無念流

特技：ゆすり、乱暴

好きなもの：お酒

◆局長　近藤勇（こんどういさみ）

?幼名は勝五郎（かつごろう）

武蔵国多摩郡（現在の東京都調布市）の農民の家に生まれ、

後に天然理心流の道場試衛館に入門し、道場主の近藤周助に

目をかけられ養子縁組を結び、近藤勇を名乗ることになる。

剣術の流派：天然理心流

愛刀：虎徹

特技：拳を口に入れること

憧れの人物：大石内蔵助、関羽

◆近藤勇を演じた主な俳優

三船敏郎　1969年「新選組」

鶴田浩二　1973年「新撰組」

平幹二朗　1977年「新撰組始末記」

香取慎吾　2004年「新選組！」

※余談だが、この試衛館には後の新選組隊士が名を連ねており、土方歳三、沖田総司、

井上源三郎などが直々の門弟で、食客として永倉新八や原田左之助、藤堂平助などがいた。

◆副長　土方歳三（ひじかたとしぞう）

?武蔵国多摩郡石田村（現在の東京都日野市石田）の

豪農の家に生まれる。

姉の嫁ぎ先である日野の名主、佐藤彦五郎の自宅にあった

道場に近藤も出稽古に来ており、そこで運命的な出会いを果たす。

剣術の流派：天然理心流

愛刀：和泉守兼定

特技：ナンパ

自慢：今までもらった恋文の数

◆土方歳三を演じた主な俳優

栗塚旭　1966年「土方歳三　燃えよ剣」

近藤正臣　1986年「白虎隊」

ビートたけし　1999年「御法度」

役所広司　1990年「燃えよ剣」

山本耕史　2006年「新選組！！　土方歳三最期の一日」

◆副長（後に総長）山南敬介（さんなんけいすけ）

仙台藩を脱藩し江戸に出てきたと言われているが、詳細は不明。

小野派一刀流を免許皆伝し、その後北辰一刀流の門弟になる。

試衛館に他流試合を申し込み、近藤と対決し敗れるが、

その後何故か試衛館に入り浸るようになり、近藤らと行動を共にすることになる。

剣術の流派：一刀流

性格：温厚

チャームポイント：笑顔

※余談だが、この山南敬介は今まで映画やドラマ等では、決して目立つ役柄では

なかったが、2004年の大河ドラマ「新選組！」で演じた堺雅人の好演がきっかけで、

以後ゲームやアニメの世界等では、重要なキャラとして取り扱われるようになった（気がする）

◆参謀　伊東甲子太郎（いとうかしたろう）

常陸国（現在の茨城県）出身。剣術は神道無念流を学び、水戸学に傾倒した。

江戸に出てから北辰一刀流の伊東道場に入門し、そこで藤堂平助と出会っている。

近藤の誘いで弟の鈴木三樹三郎等と新選組に参加するが、勤王思想の強い伊東は

佐幕派の新選組とは合わず、御陵衛士（ごりょうえじ）を結成し離脱してしまう。

剣術の流派：北辰一刀流

特技：学問（朱子学）

チャームポイント：色白でイケメン。おまけに背も高い

※余談だが、甲子太郎の弟の鈴木三樹三郎のご子孫は、今でも茨城県の石岡市にて

健在。以前は書店（文具店）を経営していたようです。

◆一番隊隊長　沖田総司（おきたそうじ）

?江戸の白河藩屋敷（現在の東京都港区西麻生）にて、

白河藩藩士、沖田勝次郎の長男として生まれる。

9歳の頃に市谷にあった試衛館に入門し、若くして塾頭を務める。

竹刀では近藤や土方にも負けなかったと伝えられている。

剣術の流派：天然理心流

愛刀：加賀清光

特技：三段突き

性格：明るい

◆?沖田総司を演じた主な俳優

島田順司　1965年「新撰組血風録」

北大路欣也　1969年「新撰組」

草刈正雄　1974年「沖田総司」

牧瀬里穂　1991年「幕末純情伝」

◆二番隊隊長　永倉新八（ながくらしんぱち）

?江戸の神道無念流の道場に入門し、十代後半には本目録。

さらに様々な道場で学び、試衛館の食客になる。

?剣師範も努めており、沖田、斎藤と並ぶ腕前だったと言われている。

大正時代まで生きた、数少ない新選組隊士の一人。

剣術の流派：神道無念流

愛刀：手柄山氏繁

特技：龍飛剣

性格：生真面目

◆三番隊隊長　斎藤一（さいとうはじめ）

?出生は不明な点が多い。江戸とも播磨国とも言われている。

試衛館に出入りしていたことは、後の永倉の手記等で確認できるが、

新選組の前身の浪士隊には参加していない。

明治に入り藤田五郎と改名し警視庁に採用され、剣術指導の役職に就く。

剣術の流派：聖徳太子流

愛刀：鬼神丸国重

◆四番隊隊長　松原忠司（まつばらちゅうじ）

大坂にて関口流柔術の道場を開いていたと言われ、後に

新選組の前身の浪士隊に参加。

池田屋事件の際に武功を上げ、平隊士から四番隊隊長になる。

◆五番隊隊長　武田観柳斎（たけだかんりゅうさい）

江戸にて甲州流軍学を修め、本名の福田廣から甲斐の武田家に

因んで、武田観柳斎と学者っぽい名前に改名する。

池田屋事件、禁門の変などで武功を上げ存在感を示していたが、

時代が洋式になるにつれ、居場所がなくっていき自滅してしまう。

◆六番隊隊長　井上源三郎（いのうえげんざぶろう）

武蔵国日野宿（現在の東京都日野市）にて生まれる。

兄の松五郎は八王子千人同心。

天然理心流の試衛館に入門し、近藤や土方と共に稽古をする。

隊の中でも高齢で、近藤をはじめ隊士達の信頼は厚かったと言われている。

剣術の流派：天然理心流

性格：頑固

?◆七番隊隊長　谷三十郎（たにさんじゅうろう）

新選組に参加時期は不明。

池田屋事件で活躍し、禁門の変やぜんざい屋事件でも武功を上げる。

末弟の周平は後に近藤勇の養子になる。

◆八番隊隊長　藤堂平助（とうどうへいすけ）

藤堂という苗字から伊勢津藩の藩主、藤堂高猷（とうどうたかゆき）

のご落胤という説があるが定かではない。

北辰一刀流を学び、その頃伊東甲子太郎とも親交があった。

その後試館の食客となり、新選組に参加する。

現場には常に先陣を切ったことから、サキガケ先生というあだ名が

付けられた。

剣術の流派：北辰一刀流

愛刀：上総介兼重

◆九番隊隊長　鈴木三樹三郎（すずきみきさぶろう）

伊東甲子太郎の弟。

兄とともに新選組に参加し、共に脱退し御陵衛士になる。

明治になり司法省や警察の仕事に就く。

大正時代まで生きた、数少ない新選組隊士の一人。

◆十番隊隊長　原田左之助（はらださのすけ）

伊予松山藩の中間（奉公人）だったが出奔。

江戸に出てから試衛館に出入りする様になり、そのまま新選組に参加。

宝蔵院流を修め、槍の名手として知られている。

永倉と仲が良かった。

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